• MEGANE MAGAZINE

    • 産地でめがねを生み出す!作り手の裏側インタビュー

      めがねは、必ず誰かによって作られています。
      今回は、めがねを生み出すメーカー・工場で働くお二人にお話を伺いました。
      もしかしたら、あなたがお持ちのそのめがねも、福井・鯖江に住む誰かが作ったのかも?
      めがねフェスに参加する作り手の裏側をお楽しみください。

      <2023年公開記事>

       

      お二人の普段の仕事内容について教えてください。

      永山 僕は「谷口眼鏡」というめがね工場で営業を担当していまして、自社ブランドのめがねやサングラスを中心に、眼鏡店やアパレル、雑貨店などへの営業活動を行っています。店舗への営業以外にも、展示会の出展やめがねフェスなどのイベント参加によってエンドユーザー様に直接販売をすることもあります。

      また、商品をただ販売するだけではなく、商品企画やブランディング、SNSでの情報発信や販促物の制作などの活動も担当しています。

      谷口眼鏡の永山さん

       

      柴田 眼鏡フレームメーカーである「シャルマン」にてめがねのデザインを担当しています。弊社では、自社ブランドとライセンス商品を取り扱っていますが、自分は主に国内および海外の自社ブランドのデザインを手掛けています。

      シャルマンの柴田さん



      めがねの仕事をするようになったきっかけはなんですか?

      柴田 僕はまだ入社して1年なのですが、結婚を機に福井に移住してきました。元々大阪出身で、京都の大学でプロダクトデザインを学び、前職は福岡で靴を作っていました。結婚のため地元に近い場所でものづくりの職を続けたいと思い、靴の次に好きなめがねを作るためにこの会社を選びましたね。

      就職情報を探すのは結構大変でしたが、タイミングよくシャルマンの求人を見つけて、採用していただきました。

      永山 僕も出身は兵庫で、大学でプロダクトデザインを学びました。前職は広告代理店で多種多様の仕事を取り扱っていたのですが、製造業の話を聞いているのが一番楽しかったんです。20代最後の年に何かやりたいことをしようと思った時、真っ先に浮かんだのはめがねでした。当時から自分なりにTPOに合わせたデザインのめがねを掛け変えていたのですが、この掛け心地が良い鯖江製のめがねをもっと多くの人に知ってほしいと思い、福井に来ました。

      インターネットで検索しても就職関連の情報が少なくて、鯖江に行けば何かいい情報があるんではないかと思って、めがねフェスに参加したんです。それがきっかけで仕事と人の縁ができて、今の会社に就職し、結婚もしましたね。濃縮された情報が得られる場所だったと思います。

      2017の伝説のビジュアルは永山さんのリアル結婚式!

       

       

      永山さんはめがねフェスの歴史の中でも、特別にすごいご縁を生み出してますよね。

      お二人はメーカーの立場として、めがねフェスのポップアップギャラリーに出展されていますが、参加者の方とどんなやり取りをされましたか?

      柴田 初めてのめがねフェスはこの業界に入ってすぐだったので、研修の時期にポップアップギャラリーに先輩方と一緒に立たせていただきました。全身めがねファッションに身を包んだ人や、見たことのないめがねをかけている人など、独特の価値観の方が多い気がします。めがねファンの方々がたくさんいらっしゃるので、本当に驚きましたし、逆に教えてもらうことの方が多かったですね。

      永山 僕はめがねフェスのポップアップギャラリーが始まった時から参加していますが、めがね好きはもちろん、地元の方もたくさんいらっしゃるんですよね。それこそめがね会館から徒歩圏内に住んでいる人とか、家族がめがね業界で働いている人とか。回数を重ねることで顔馴染みのお客さんも増えてきたと思います。

      ポップアップギャラリーは業者やめがね好きの方に向けだと思われるかもしれませんが、地元のお祭りの感覚で「いろんなめがねがあってキレイやねぇ」って気軽に来れる人との話もおもしろいし嬉しいんですよね。皆さんも軽いノリで、ぜひ参加してほしいと思います。

       

      福井・鯖江のめがねの産地としての魅力はどんなところにありますか?

      永山 ものづくりが好きな人にとっては、とても狭いエリアに関連企業が凝縮されているので、街巡りはおもしろいと思います。車があればだいたい1時間ぐらいで回れるのは魅力的なんですよね。

      メーカーというのはゼロからイチにする、ものを生み出す仕事をしているので、カルチャーを発信できる情報の上流の立場にあります。企画、デザイン、製造、そういった仕事に直接携われるからこそ、自分がそれで流行を生み出すかもしれない。そういうやりがいはあると思います。

      柴田 めがねのメーカーの集まった場所というと工業団地のようなイメージがあるかもしれないのですが、特に鯖江は「何もないがある」ととても感じます。うちの奥さんは鯖江の農道が大好きで、山が近い景色がいいとよく言っています。

      永山 案外、店がありすぎても全部は行かないですよね。美味しいご飯屋さんがあって、服屋や本屋など、適度に買い物ができて、満足できる店が街にあれば充分なんですよ。それに、車で30分圏内に海や山に行ってアクティビティができるっていうのは、すごい立地だと感じます。

       

      今後、めがねフェスでやりたいこと、やってほしいことはありますか?

      永山 めがねの仕事を知る、見つけることができる場所があると良いと思いますね。僕も就職活動をする時に、情報収集には苦労しました。何かものづくりをしたいけれど、どんなものを作るのか漠然としている人って結構いると思うので、そういった人が集まってものづくりの現場の情報を収集できるブースやコンテンツがあるといいですね。

      柴田 僕はめがねオタクとして、さまざまなブランドが一堂に介しているのを見てみたいなと思います。めがねブランドって国内にもっとあるはずなんですよね。全国から注目されるめがねフェスなので、そういった光景をここで見られたら、めがねファンの皆さんも喜ぶんじゃないかと思います。

       

      全国のめがね好きのみなさん、ポップアップギャラリーを楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。

      柴田 作り手と話す機会はなかなかないので、気軽に話しかけてほしいです。次回のポップアップギャラリーでは、自信を持ってめがねについて話せるように臨みたいと思います!ぜひお越しください!

      永山 めがねが好きな人も、興味ない人も気楽に来てください!焼き鳥が安くて美味しいよ(笑)。 こどもも楽しめますので、ぜひご家族で参加してください。

      お二人のかけてる眼鏡も気になります!

       

      めがね作りに携わる人と直接お話をしてみることができるめがねフェス。
      ものづくりの現場をダイレクトに感じられる貴重な機会ですので、
      ポップアップギャラリーに立ち寄って「こんにちは〜」と声をかけてみてくださいね!