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    • 「めがねフェス」現実行委員長× 初代実行委員長 対談!

      2014年にスタートを切っためがねの祭典「めがねフェス」。

      今年は10周年を迎える記念イヤーということで、第6回から実行委員として参加し昨年実行委員長を引き継いだ佐々木英二さんと、第1回から中心メンバーとなって関わってきためがねフェス前実行委員長の小松原一身さんとの対談をお届けします。

       

      いよいよ今年で「めがねフェス」が10年目となりますが、この10年を振り返って、お二人にとって改めて「めがねフェス」はどんなイベントでしたか?

      小松原 元々、福井県眼鏡協会が10月1日に「めがね祭り」というイベントをやっていて、その時は「めがね供養」とか、ステージを組んでマジックショーや歌謡ショーなんかをしてました。でも、当時はお客さんがあんまりいなくてね。ちょっと寂しい感じだったんで、なんとかせんとあかんなと思ってました。本来、めがねは老若男女年齢も関係のないものですから、まず産地を知ってもらって、もっと若い人、家族連れの方々にも来てもらい、楽しんでもらう必要があったんです。

      じゃあどんなイベントにすればいいか?と考えて、全国のマルシェやフェスを見て歩きました。結果、まずはイベントを監修するクリエイターを立て、運営する事務局を設けて、そして眼鏡協会の執行部が三位一体となって作り上げる協力体制でスタートしました。実行委員会が知恵を出し合い、汗を流し、運営する人自身が楽しまないと、イベントは楽しくならんでね。数日のイベントだけでなく、活動も丸ごとコンテンツになるといいなと思いました。

      「めがねフェス」の名前一つも、漢字なのか、カタカナなのか、ひらがななのか、悩んだね(笑)1回目はめがね会館の玄関の前に小さなステージを作って、関係者だけで盛り上がるような感じでしたけど、回を重ねる毎に規模が大きくなり、2018年の第5回目で約1万6千人の来場者、グッドデザインの受賞などで周囲にも認められ、しっかり手応えを感じるようになりました。

      佐々木 はちょうどめがねフェスのピークがきた第6回から参加して関わらせてもらいました。だから来場者が少なかった時を知らないんですよね。当時はもちろん眼鏡業界にはいましたが、業界の中でも一部の人が関わっているだけで、「フェスやってるんだなぁ」と遠目で見ていたような感じです。

      小松原理事長の下で副理事長としてめがねフェスに関わるようになって、初めてその意味を考えるようになりました。ただめがねが好きな人のお祭りではない、まためがねのPRをするだけの祭りでもない。めがねが好きな人が産地に集まって情報交換をし地域と絆を深めていく祭りなんだ、これはもっとめがねに携わっている人たちが関わる必要があるなと感じました。そして、もっと県内の一般の参加者の方が増えるようにしなければと思っています。

      株式会社エクセル眼鏡の社長で現実行委員長の佐々木英二さん

       

      10年の中で、特に思い出に残っているエピソードを教えてください。

      小松原 それはやっぱり、めがねフェスのお手伝いがきっかけで結婚した人がいたことですよね。もうあれは伝説ですよ(笑)他にもフェスを通じて就職した人もいますし。それだけこのフェス自体が影響力を持っているんだと思います。

      鯖江市はめがねフレームの産地ですから、本来は裏方、表に出ちゃダメだったんですよ。時代が変わって、眼鏡協会の直営店や工場のギャラリー開設などで接点は増えてきたものの、まだまだ表に出る機会は少ない。めがねフェスは、生産者がエンドユーザーと直接触れ合うことができる唯一の機会でもあるんです。フェスの中でみんなが「めがねってすごいなぁ」と感じて語るほどに、生産者の仕事に対する誇りが生まれ、モチベーションも上がっていく。そして、それが波及していく。まだまだこれからも参加者が増えて、各々の立場でおもしろい展開になると思いますよ。

      佐々木 はやはり第6回で目の当たりにしためがねフェスの盛り上がりのすごさですね。その後、コロナ禍で2年間中止に追い込まれ、昨年は感染対策に注意を払いながら不安の中で開催したのですが、中止前のめがねフェスを思い出させるような人の波がドッと押し寄せたの時は、本当に驚きました。来場者の方々の嬉しそうな表情を見て、私たちも頑張って開催してよかったなと心から思いましたね。

      また、東京の方からめがねフェスにブース参加したいというオファーが来るようになりました。東京に赴いて営業活動をすることだけではなく、めがねフェスによって全国に情報を発信して、産地に集まってきてもらうという方法もあるんだと気付かされました。産地が盛り上がっている様子を見ると、たち生産者側も嬉しいですし、もっといいものを作らなければとモチベーションが高まりますね。

      株式会社ボストンクラブの社長で前実行委員長の小松原一身さん

       

      佐々木現実行委員長と小松原前実行委員長、お互いに今後期待することはありますか。

      小松原 もうそれは楽にやってもらえれば大丈夫ですよ。すでにめがねフェスの経済効果は大きなものになってると思いますが、それに臆せず佐々木社長が思いきりやりたいことをやってもらって、今あるものを進化させながら突き進んでもらえれば、間違いないです。

      佐々木 はまだ実行委員長として1年目、「めがねフェス」の実行委員の中ではペーペーなので(笑)小松原社長にはまだまだめがねフェスに関わっていただいて、知恵やアドバイスがあれば、遠慮なく言ってほしいと思います。また、立ち上げから携わっていらっしゃる数少ないメインメンバーですので、僕たちが方向性を見失わないように客観的な立場で修正してもらいたいですね。めがねフェスの初心を忘れてはいけないですから。

      小松原 確かにイメージは大事にしていかないといけないですよね。まあ、あとは事務局と協力して堂々とやっていけば、絶対大丈夫!期待しています。

       

      今年のめがねフェスでイチオシのコンテンツはどのようなものがありますか。

      佐々木 今年は「メガ展」という新しい試みを行います。これまではフレームに特化したブースが多かったのですが、今回はビスや金具などの眼鏡の部品にも焦点を当てて、各メーカーに出展してもらいます。めがねフェスは、普段作り手として工場に立っている人たちとの貴重なふれあいの機会でもありますが、逆に言えば作り手が自分たちの技や仕事を見てもらうための機会でもあります。建物の老朽化、人手不足や高齢化の課題を抱えている工場が多く、こうして「見られる」きっかけが職場の環境の改善、そしてリクールティングにもつながっていくと思います。

       

      全国の眼鏡好きの皆さんにメッセージをお願いします。

      小松原 まずとにかくめがねフェスに来ていただいて、美味しいものを食べたり、心地よい音楽を聴いたりしながら、実際にめがねをかけてみてください。そうすれば、この産地のおもしろさが見えてくると思います。普段めがねを使わない方も、気にせず来てほしいですね。世界レベルで認められている技術ですから、その素晴らしさを体感してほしい。目指せ、2万人!

      佐々木 今鯖江市は「めがねのまち」として、眼鏡工場の前にモニュメントの設置を進めています。おそらく来年のフェスの頃には、街のあちこちでめがねのモニュメントが建てられるので、まち歩きをしながらめがねを感じられるおもしろさがあると思います。また、全国の眼鏡販売店に協力していただいて、「めがね供養」をするための眼鏡を回収して、県を超えたつながりを活用した連携も考えています。実行委員会としては、参加者の皆様を飽きさせないような新しい取り組みをご用意してお待ちしておりますので、ぜひご参加ください。

       

      10年、山あり谷あり。毎日眼鏡に向き合うめがねの生産者でもあるお二人から、めがねフェスへの熱い想いを伺うことができました。めがねの枠を超えた新しい展開が、これからも続くと期待がふくらみます。ぜひ、会場でお会いしましょう!

      取材・文 佐藤実紀代(HOSHIDO)